床土(読み)トコツチ

デジタル大辞泉 「床土」の意味・読み・例文・類語

とこ‐つち【床土】

床の間の壁などに使う上等の土。
苗床用の土。

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精選版 日本国語大辞典 「床土」の意味・読み・例文・類語

とこ‐つち【床土】

〘名〙
① 床の間の壁などに用いる上等の土。まさつち。
② 苗の発育に良好な条件を整えた苗床用の土。作物種類にもよるが、一般に排水がよく、よく肥えており、病害虫のおそれのないことが要求される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「床土」の意味・わかりやすい解説

床土
とこつち

浅い木箱などの苗床に詰める土をいう。苗床育苗病虫害防除と肥培管理を集約的に行うのに都合がよいため、促成栽培の野菜類や機械田植の育苗に用いられる。床土は肥沃(ひよく)で通気性と保温性に優れ、灌水(かんすい)を頻繁に行っても土が固まらず、移植に際し根毛の切れる心配の少ない軽い土がよい。腐葉土などは床土として適している。一般に床土には堆肥(たいひ)が多く施用される。最近ではもみ殻薫炭(くんたん)、ウレタンなどを使用した養液育苗法、コーティング肥料被覆肥料)を使用した水稲の育苗箱全量基肥なども行われている。

[小山雄生]

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改訂新版 世界大百科事典 「床土」の意味・わかりやすい解説

床土 (とこつち)

苗床温床・冷床)で用いる土壌。温床や冷床はその深さに制限があり,根は限られた範囲にしか伸長しないので,苗の生育は床土の良否によって大きく左右される。すぐれた床土とは,病虫害のおそれがなく,通気性がよく,水分を十分に保持することのできる土壌で,移植の際に根から落ちにくいことも必要である。こうした条件を備えた床土は,普通,無病の土壌と有機物(落葉わらなど)および肥料を交互に堆積し,数回切り返し,有機物を十分に発酵,分解させて作る。しかし,このような方法では熟成に長期間かかるので,近年では前もって堆積せず,使用直前に土壌に腐葉土と肥料を混和したものを速成床土として利用する場合も多い。
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