精選版 日本国語大辞典 「座頭鯨」の意味・読み・例文・類語
ざとう‐くじら ‥くぢら【座頭鯨】
〘名〙 ナガスクジラ科の哺乳類。全長約一五メートルで、雄のほうがやや小さい。胸びれがきわめて大きく、前ぶちに凹凸(おうとつ)がある。胸びれと尾びれの下面に白い模様がある。体の背面およびクジラひげは黒色。のどから胸にかけ、うねがよく発達する。オキアミ、小魚を捕食。温帯から熱帯の繁殖海域と寒帯の索餌海域のあいだを回遊し、特に南極海で多く見られる。肉は食用、脂肪から油をとるために乱獲され、生息数は激減した。水中で旋律のある鳴音を発するクジラとしてよく知られる。体形が、座頭の琵琶法師が用いた琵琶に似ているところからの名という。《季・冬》
※俳諧・桜川(1674)冬二「鯨に茶臼山といふあれば つきて引座頭くしらや茶臼やま〈重武〉」
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