延光寺(読み)えんこうじ

日本歴史地名大系 「延光寺」の解説

延光寺
えんこうじ

[現在地名]宿毛市平田町中山

国道五六号のバス停寺山口てらやまぐちから北西へ一キロ、小さな谷の奥にある。赤亀山寺山院と号し、真言宗本尊薬師如来。四国霊場八十八ヵ所の三九番札所として衆庶信仰を集める。草創は明らかでないが「編年紀事略」には神亀元年(七二四)行基開創、自刻の薬師を安置したとあり、「四国遍礼名所図会」は「三十九番赤亀山寺山院延光寺幡多郡中村、観自在寺迄七里此寺大師御建立なり、薬師如来を作り安ズ、詠歌 南無薬師諸病悉除の願こめてまつる我身をたすけましませ」と記す。

「南路志」に「寺昔時ハ脇坊十二坊有之、今ハ退転無之、寺本坊ニ有之節ハ元親より薬師へ寄附、田並南尊上人住職之時代迄南光院知行共地高五百五十石有之、御国印並当山延起等本坊焼失之節焼亡」とあり、嘉禎三年(一二三七)六月一日付文書、正応三年(一二九〇)四月七日付の棟札などを集録している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「延光寺」の解説

延光寺

高知県宿毛市にある寺院真言宗智山派山号は赤亀山(しゃっきざん)、院号は寺山院。本尊は薬師如来。行基による開創と伝わる。四国八十八ヶ所霊場第39番札所。平安時代の銅鐘は国の重要文化財指定

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世界大百科事典(旧版)内の延光寺の言及

【宿毛[市]】より

…市街地北西の丘陵には縄文時代の人骨も出土した宿毛貝塚(史)があり,東部の平田にはかつて曾我山古墳があり,近くに式内社の高知坐(たかちにます)神社がある。中山の延光寺は俗に寺山と呼ばれ,四国八十八ヵ所の第39番,土佐路最後の札所。延喜11年(911)の銘のある銅鐘(重要文化財)を蔵する。…

※「延光寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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