弁慶の泣き所(読み)べんけいのなきどころ

精選版 日本国語大辞典 「弁慶の泣き所」の意味・読み・例文・類語

べんけい【弁慶】 の 泣(な)き所(どころ)

① (弁慶ほどの豪傑でも、痛がって泣く急所の意で) 向こうずね。
② 転じて、最も弱いところ。弱点。アキレスけん。
※今年竹(1919‐27)〈里見弴〉夏霜枯「これは、常に彼女にとっての『辨慶の泣きどころ』だった」
③ (折りまげて力を入れても力がはいらないところからとも、人さし指と薬指とを直立させた間に中指をはさんでこれを第二関節から曲げ、第一関節から先を動かされると痛いところからともいう) 中指の最高関節から先の部分をいう。〔東京語辞典(1917)〕

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デジタル大辞泉 「弁慶の泣き所」の意味・読み・例文・類語

弁慶べんけいどころ

《弁慶ほどの豪傑でも痛がって泣く急所の意》向こうずね。
強い者の、最も弱い所。ただ一つの弱点。
[類語]すねはぎ向こうずね膨らはぎ

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ことわざを知る辞典 「弁慶の泣き所」の解説

弁慶の泣き所

弁慶ほどの豪傑でも、痛がって泣く急所。向こうずねをいう。転じて、最も弱いところ。弱点。

[使用例] これは、常に彼女にとっての「辨慶の泣きどころ」だった[里見弴*今年竹|1919~27]

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世界大百科事典(旧版)内の弁慶の泣き所の言及

【弁慶】より

…江戸時代になるとこのような民間信仰の神の観念と結びつくような民俗的想像力が後退して,封建的倫理を背景とした忠臣としての弁慶のイメージが強調され,弁慶が単に勇猛,武勇,知謀,忠義などを表す言葉ともなった。〈弁慶の泣き所〉の弁慶は勇猛な者の意で用いられて,ふつうは向う脛(むこうずね)をさし,〈弁慶縞〉の弁慶は荒々しさを意味している。進退きわまることを〈弁慶の立往生〉というが,これはいわゆる立往生伝説によったもので,勇猛の意味で用いられている。…

※「弁慶の泣き所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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