しき‐じつ【式日】
〘名〙
① 特定の行事あるいは
職務に当てられた定日。
しきにち。
※小右記‐寛弘二年(1005)四月一八日「今日式日也。湏レ令レ申二廻諸卿一」
※
随筆・
守貞漫稿(1837‐53)二四「朔日・十五日・二十八日、是を三日と云ひ、さんじつと訓じ式日とも云。〈略〉
幕府にては諸大名旗本御家人に至る迄総登城也」
※俳諧・千鳥掛(1712)上「
庶子にゆづりし家のつり物〈知足〉 式日の日はかたぶきてこころせく〈如風〉」
※思出の記(1900‐01)〈
徳富蘆花〉三「特別の客来若は式日を除くの外」
③
江戸時代、幕府評定所での定式寄合の一種で、裁判・
評議を行なう日。立合
(たちあい)に対するもの。宝暦元年(
一七五一)
以後は二日、一一日、二一日と決められ、
寺社奉行、町奉行、
勘定奉行の三奉行と、目付各一人が出席し、裁判・評議を行ない、うち一日には老中一人が大目付とともに列座した。→
式日寄合。
※禁令考‐後集・第一・巻二・享保四年(1719)一二月「式日立合之御目付出座之儀に付御書付」
しき‐にち【式日】
※
評判記・
色道大鏡(1678)一三「大むねは如
レ此定置といへども、唐人売相続上者、式日
(シキニチ)と
常日のわかちなし」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「式日」の意味・読み・例文・類語
しき‐じつ【式日】
1 儀式を執り行う日。儀式のある日。
2 祝祭日。
3 江戸時代、幕府の役人が訴訟評決のために集会した日。
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世界大百科事典(旧版)内の式日の言及
【評定所】より
…構成員の中心は寺社,町,勘定の三奉行で,これに大目付,目付が審理に加わり,勘定所からの出向者を主とする留役(とめやく)(書記)が実務を担当した。初期には老中も出席したが,1660年代(寛文年間)ごろに寄合(会議)が式日(しきじつ),立合,内寄合(うちよりあい)の3種に分かれて,老中は式日にのみ出座することになり,さらに1720年(享保5)からは月1回出座となった。また側(そば)用人,側衆あるいは江戸出府中の所司代や遠国(おんごく)奉行が評席に参列することもあった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」