引佐細江(読み)いなさほそえ

精選版 日本国語大辞典 「引佐細江」の意味・読み・例文・類語

いなさ‐ほそえ【引佐細江】

静岡県南西部、浜名湖北東部の支湾。都田川が注ぎ風景絶佳で知られる。歌枕
万葉(8C後)一四・三四二九「遠江(とほつあふみ)伊奈佐保曾江(イナサホソえ)澪標(みをつくし)あれを頼めてあさましものを」

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日本歴史地名大系 「引佐細江」の解説

引佐細江
いなさほそえ

浜名湖の北東に位置する支湾。細江湖・気賀きが湖ともいう。細江町気賀の寸座すんざ岬と浜松市呉松くれまつ町の間のくびれた海峡から北東方の奥をいう。この入江都田みやこだ川の河口でもあるが、都田川は浜名湖に注ぐ川では最も大きく、河川法では浜名湖そのものも都田川とされている。古来景観にすぐれ、「五代集歌枕」や「八雲御抄」は引佐細江を歌枕としており、その名は詩歌・紀行文によって知られてきた。

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世界大百科事典(旧版)内の引佐細江の言及

【浜名湖】より

…かつては砂州で遠州灘と隔てられた淡水湖で,近江国の琵琶湖に対して遠淡海(とおつおうみ)と呼ばれた。湖の北部から南西にのびる大崎半島,村櫛半島によって分けられる北西部の猪鼻湖,北東部の引佐(いなさ)細江,東部の庄内湖をはじめ,松見ヶ浦,内浦など入江が多く,南は今切口(いまぎれぐち)で遠州灘に通じる。北東部から都田(みやこだ)川,南東部から新川が流入する。…

※「引佐細江」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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