引声(読み)インゼイ

デジタル大辞泉 「引声」の意味・読み・例文・類語

いん‐ぜい【引声】

阿弥陀仏名号みょうごう経文などを、高低緩急などの曲節をつけて唱えること。いんぜ。いんじょう。

いん‐じょう〔‐ジヤウ〕【引声】

いんぜい(引声)

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精選版 日本国語大辞典 「引声」の意味・読み・例文・類語

いん‐ぜい【引声】

〘名〙 (「いんせい」とも) 仏語音声に高低、緩急などの曲節をつけて、彌陀名号、経文、偈頒(げじゅ)などを唱えること。いんじょう。いんぜ。→引声念仏引声阿彌陀経
今昔(1120頃か)一一「常行堂を起(たて)て、不断念仏を修する事七日七夜也。〈略〉是、極楽聖衆(しゃうじゅ)阿彌陀如来を讚(ほめ)奉る音(こゑ)也、引声と云ふ、是也」
源平盛衰記(14C前)一〇「慈覚大師渡唐時、清涼山の引声(インセイ)の念仏を伝給ひしに」

いん‐じょう ‥ジャウ【引声】

〘名〙 (「しょう」は「声」の呉音。「いんしょう」とも) =いんぜい(引声)
※運歩色葉(1548)「引声 インシャウ 二月を二月(にんくゎつ)と云」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「引声」の意味・わかりやすい解説

引声
いんぜい

日本音楽の用語。 (1) 天台声明における演奏形式の一種。主として序曲といわれる非拍節リズムの曲にはテンポや墨譜1つずつの旋律長短によって長音 (ちょういん) ,引声,短声,切音 (きりごえ) などの分類があるが,引声は声をかなり長く引伸し,さまざまな装飾をつけて歌ううたい方をいう。『短声阿弥陀経』に対して,最も引伸した特別のものを『引声阿弥陀経』という。 (2) 「論義」における唱法の一つで,「ひきごえ」とも読む。一音節を長く保って,明瞭に唱えるもの。

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普及版 字通 「引声」の読み・字形・画数・意味

【引声】いんせい

声を長くする。

字通「引」の項目を見る

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