弦斎氏標準食養法(読み)げんさいしひょうじゅんしょくようほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「弦斎氏標準食養法」の意味・わかりやすい解説

弦斎氏標準食養法
げんさいしひょうじゅんしょくようほう

食道楽』を著わして一世を風靡 (ふうび) した村井弦斎 (1863~1927年) が唱えたもの。彼の主張は,肉食と菜食のいずれか一方のみが良いとせずに,各民族には特有の食習慣があり気候風土があるのだから,それらに従って定めなければならぬというもの。良食の根本として,次の3要素をあげている。 (1) なるべく自然に近い食物──米は玄米か半つき米,野菜・果実・魚鳥肉類などは皮つきのまま。 (2) なるべく住んでいる場所の付近から産出する食物。 (3) なるべく季節に応じて産出した食物。日本人の常食とすべき標準は,玄米食の場合は玄米七分に副食物三分,半つき (三分づき四分づき) 米食の場合は半つき米六分に副食物四分,白米食の場合は白米三分に副食物七分の割合とし,副食物は野菜七分に肉三分としている。そして,各自その体質や風土気候によって加減を図ることと,何でも広く食べることが肝要と主張している。

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