家庭医学館 「強膜炎/上強膜炎」の解説
きょうまくえんじょうきょうまくえん【強膜炎/上強膜炎 Scleritis / Episcleritis】
眼球(がんきゅう)の外壁をなす強膜(図「上から見た目の構造」)におこる炎症です。その多くは上強膜炎という、強膜の表面の部分のみの炎症です。
[症状]
多くは充血と軽い異物感程度ですが、強膜全体に炎症をおこした場合には、強い充血と痛みをともなうようになります。
強膜炎には、びまん性強膜炎や結節性強膜炎(けっせつせいきょうまくえん)などいくつかの型があり、関節リウマチやウェジナー肉芽腫症(にくげしゅしょう)などの全身疾患にともなって生じることもあります。
重症の場合には、強膜が薄くなって目の中のぶどう膜が透けて見えるようになったり(強膜(きょうまく)ぶどう腫(しゅ))、孔(あな)があいたりすることもあります。
[治療]
上強膜炎では、ステロイドや非ステロイド抗炎症薬の点眼が用いられ、数日以内にほとんどが治癒(ちゆ)します。
強膜炎では、ステロイドの点眼や内服が行なわれるほか、免疫抑制薬(めんえきよくせいやく)が用いられることもあります。
治療に反応しない難治性(なんちせい)のものもあるので、注意が必要です。