翻訳|ballistics
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14世紀ヨーロッパに出現した大砲は、目標に向けていかに正確に弾丸を発射するか理論的追求を重ねた結果、新たに弾道学の分野が開拓された。17世紀、ガリレオによる弾丸の放物線運動の発見以来、20世紀初頭にかけ、弾道学は精密科学として理論化が促進された。現在は弾道ミサイルの発達により、弾道学理論はいっそう緻密(ちみつ)化されている。弾道学によると弾丸あるいは弾道ミサイルはCEP(円形半数必中径)の誤差を有している。CEPとは射弾の半数が目標を中心とする円形の範囲に収まることを意味するが、弾道学ではこのCEPをいかに縮小するかが最大の目的である。実際の射撃に際しては、砲の操作が容易なように射撃諸元を修正した射表を用いるが、この射表こそ弾道学の成果の凝縮といえよう。このため弾道学では、砲内弾道(弾道ミサイルでは推進弾道)、砲外弾道、侵徹弾道に区分し、とくに砲内弾道、砲外弾道に関しては、さまざまな研究、実験がなされてきた。19世紀なかばに弾丸は球弾から尖頭(せんとう)弾へ移行し、また砲身にライフルを刻んだ後装ライフル砲が登場したが、これも弾道学の成果といえよう。砲内弾道は発射薬の燃焼状況と砲腔(ほうこう)内状況とによる弾丸の運動で、この研究については18世紀のM・D・ライール、19世紀のロドマン・ゲージの発明者ロドマンらの功績があげられる。砲外弾道に関しては、ニュートンの理論形成以来、近世のB・ロビンス、カバリ、マイエフスキーらの実験が著名である。
[猪口修道]
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