改訂新版 世界大百科事典 「当別」の意味・わかりやすい解説
当別[町] (とうべつ)
北海道中央部,石狩支庁石狩郡の町。人口1万8766(2010)。地名はアイヌ語の〈トー・ペッ(沼・川)〉に由来する。町域は南北に細長く,中央部を石狩川の支流当別川が南流し,西部は増毛(ましけ)山地,南部は石狩平野の北縁を占める。中心市街は石狩当別駅周辺にあり,JR札沼線,国道275号線が通じる。1871年(明治4)仙台藩の支藩岩出山藩主伊達邦直が家臣とともに入植したのがこの地の始まりで,苦心の末開拓に成功した事情は,本庄陸男の小説《石狩川》に詳しい。総耕地面積の80%は水田で,石狩平野有数の米産地となっている。酪農,園芸作物の栽培も近年活発になった。南西部の太美(ふとみ)地区は札幌市に隣接するため近年は宅地化が進んでいる。中小屋温泉,太美温泉などがある。
執筆者:奥平 忠志
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