形成的評価(読み)けいせいてきひょうか(英語表記)formative evaluation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「形成的評価」の意味・わかりやすい解説

形成的評価
けいせいてきひょうか
formative evaluation

教育学用語。さまざまな教育活動の途上で,その活動が所期の目的を達成しつつあるかどうか,どのような点で活動計画の修正が必要であるかを知るために行われる評価活動。アメリカの B.S.ブルームがマスタリー・ラーニング理論との関連で提唱した。従来の評価は,指導,学習の修了後に,個々の児童生徒習得の度合いを把握するものであったが,形成的評価は教育活動の目標,内容,方法の適否を知るためのものである。そのため,評価の前提として,これらの諸要素をよく分析し,明確化,構造化しておくことが必要である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の形成的評価の言及

【教育評価】より

…それは,例えば学力評価に関しては,伝統的にその方法の中心になってきた〈相対評価〉,すなわちある一定の集団の中の相対的な位置によって個人の学力を評価する方法から,〈到達度評価〉,つまり最低限すべての子どもを到達させる教育目標を具体的,実体的に示して,この基準に従って到達の程度を評価する方法への転換である。また,学期や単元の終了時に行う総括的な評価とならんで,〈形成的評価〉――評価を学習活動が終了した時点で行うのではなく,学習過程の最中に,次の教授=学習活動が適切で有効に行われるように,修正の必要な部分を即座に把握するために行う評価――が重視されるようになった。また評価活動を単に生徒の進路や処遇の決定に役立てるのではなく,一人一人の生徒の学習状況を診断し,カリキュラムや教材の改善に役立てる情報を得る活動と考えることも一般的になってきた。…

※「形成的評価」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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