彦坂光正(読み)ひこさか・みつまさ

朝日日本歴史人物事典 「彦坂光正」の解説

彦坂光正

没年:元和9.2.29(1623.3.29)
生年:弘治1(1555)
江戸初期の駿府町奉行。今川義元の家臣成光と苅屋彦五郎某の娘の子。徳川家康に仕え,天正12(1584)年の長久手の戦で戦功をあげた。家康の駿府引退後は駿府町奉行を務め,慶長17(1612)年には2160石余を領した。翌18年4月14日,後藤庄三郎のもとへ古田織部から借金を請う書状が届いた。後藤は怪しく思い使者を糾したところ盗賊であることが判明し,早速町奉行彦坂に注進した。彦坂は手勢を調えかの使者の宿に押し入り首謀者を捕らえたが,その際,配下の若党67名が負傷,3名が即死するという大捕物であった。しかも宿主は家康の歩行奉公人であったとされる。元和2(1616)年からは徳川頼宣に付属したが,まもなく主家を辞し日光に入山したという。<参考文献>『当代記

(小池進)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「彦坂光正」の解説

彦坂光正 ひこさか-みつまさ

1565-1632 織豊-江戸時代前期の武士
永禄(えいろく)8年生まれ。徳川家康の家臣。長久手の戦いに功をたて,駿府町奉行となる。のち家康の遺言によって紀伊(きい)和歌山藩主徳川頼宣(よりのぶ)の付家老をつとめた。寛永9年日光山に隠退し,2月29日死去。68歳。三河(愛知県)出身通称は九兵衛。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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