役役（読み）ヤクヤク

デジタル大辞泉

やく‐やく【役役】

［副］「役と」を強めた言い方。もっぱら。
「生きたる猿丸をとらへて、明け暮れは、―と食ひ殺させてならはす」〈宇治拾遺・一〇〉

えき‐えき【役役】

［ト・タル］［文］［形動タリ］苦心して努めるさま。
「建築家の―としてその業に従うや…楼閣を起こすの算あり」〈藤村・春〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

やく‐やく【役役】

[1] 〘名〙 それぞれの役目。めいめいの分担の役。

※習道書（1430）「申楽一座人数、其役々習道次第」

[2] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる) 「やくと（役━）」を強めたいい方。

※永久百首（1116）夏「夏草はしげりにけりなやくやくと春見し野辺の道まどふ迄〈源兼昌〉」

えき‐えき【役役】

〘形動タリ〙 力を労するさま。労役して休まないさま。

※談義本・田舎荘子（1727）上「役々として、生涯をくるしむものなり」 〔荘子‐斉物論〕

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【役役】えきえき

労苦するさま。〔荘子、斉物論〕身役役として其の功を見ず。然(でつぜん)として疲役し、其の歸するを知らず。哀(かな)しまざるべけんや。

字通「役」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」