(読み)まち

精選版 日本国語大辞典 「待」の意味・読み・例文・類語

まち【待】

〘名〙 (動詞「まつ(待)」の連用形名詞化)
① まつこと。また、そのときの状態。
② 昔の狩言葉(かりことば)。高い木の股に横木を結びつけ、その上にいて、鹿などが下にくるのを待って射ること。まち木。
今昔(1120頃か)二七「待と云ふ事をなむしける」
商人が、あらかじめ仕込みをして客を待っている売物。でき合いの商品。〔随筆松屋筆記(1818‐45頃)〕
雅楽で、舞の譜に用いられる語。ひとつの動きから次の動きに移る時、ひと拍子または二拍子待つことが必要な時に使われる。
ハイヤータクシーが客に貸しきられて、走行していない状態。

たい‐・す【待】

〘他サ変〙
待遇する。取り扱う。
※文明本節用集(室町中)「善与而不争虚心平志待(タイスルニ)物以正〔六韜〕」
社会百面相(1902)〈内田魯庵貧書生「士を待(タイ)するの道を知りおる」
② 待ちうける。予定する。
江戸繁昌記(1832‐36)四「一夕の妻を聘かんと待す」

まと【待】

動詞「まつ(待)」の終止形連体形に当たる上代東国方言。
万葉(8C後)一四・三五六一「かなと田をあらがきまゆみ日が照(と)れば雨を万刀(マト)のす君をと麻刀(マト)も」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「待」の意味・読み・例文・類語

たい【待】[漢字項目]

[音]タイ(漢) [訓]まつ
学習漢字]3年
まち受ける。まつ。「待機待避待望期待
もてなす。取り扱う。「待遇歓待虐待招待接待優待
[名のり]なが・まち・みち

まち【待/祭】

きまった日に人々が集まり、忌みのためにこもって一夜を明かすこと。また、その行事まつり。「甲子きのえね―」「二十六夜―」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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