精選版 日本国語大辞典 「後付・跡付」の意味・読み・例文・類語
あと‐つけ【後付・跡付】
〘名〙 (「あとづけ」とも)
※咄本・百物語(1659)上「先つづら二つつけけるか、次にあとつけのり敷つけけるか」
② (①の刀箱の形に似ているところから) 芸者などが付き添いの者に持たせる三味線箱。
※雑俳・柳多留‐一四(1779)「跡付(あトつケ)を持せて芸者船へ来る」
③ 人のうしろからついて行くこと。また、その人。
※浮世草子・好色一代男(1682)三「置手拭して、跡(アト)つけの男を待合」
※評判記・色道大鏡(1678)一「跡付(アトヅケ)、同、太鼓持の事なり。〈略〉本客のあとにつくといへる心なるべきか」
※随筆・秉穂録(1795‐99)一「酒譜に、今人多以二文句首末二字一、相聯謂二之粘頭続尾一と。今も戯にするあとつけと云なり」
⑤ (④から転じて) 一人が言ったことばの最後の一音を、次の人が語頭において別のことばを言い続けて行く遊び。尻取り。
⑥ 一応まとまっている物事へ、さらに追加すること。また、そのもの。
(イ) 遊女を揚げたあと、さらに翌日、早朝一定時間を追加すること。上方の遊里語。
※歌舞伎・五大力恋緘(1793)三幕「今夜は爰の揚(あげ)、しかも跡付(アトヅケ)にまでしてあるもの」
(ロ) 食事に添えて出す酒。
※雑俳・軽口頓作(1709)「さあびしい・ゑゑあとづけはないかいの」
⑦ 物事の変化の跡をたどり、確かめること。
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