後口(読み)アトクチ

デジタル大辞泉 「後口」の意味・読み・例文・類語

あと‐くち【後口】

飲食したあと口の中に残っている味や感じ。あとあじ。
自分言動のあとの気分。あとあじ。「けんか別れになって後口が悪い」
申し込みなどの、あとの順番。あとに待っているもの。「後口が控えている」⇔先口せんくち
[類語]後味

しり‐くち【後口/尻口】

《「しりぐち」とも》牛車ぎっしゃなどの後方出入り口
「尼の車、―より水晶数珠薄墨の裳、袈裟、衣、いといみじくて、簾はあげず」〈・二七八〉
後ろと前。あとと先。
「―首尾つづまらぬ答なり」〈一字般若〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「後口」の意味・読み・例文・類語

あと‐くち【後口】

〘名〙
① 二回以上にわたって同様のことがあったりしたりする場合の、あとの方。
(イ) 残ったあとの方。「あとくちが千円支払い残になっている」
(ロ) (申し込みや約束事などで)あとの方のもの。あとからの申し込み。あとにつづく約束
※歌舞伎・当龝八幡祭(1810)二幕「庄八玉屋に跡口(アトクチ)が懸って居ります」
(ハ) あとにつづく者。あとがま。「あとくちが控えている」
② 飲食したあとの口。また、飲食したあと、口に残る感じ。比喩的に、何か言ったりしたりしたあと。また、そのときの気分。あとあじ。
一兵卒銃殺(1917)〈田山花袋〉一〇「さも旨かったと言ふやうに、かれはあと口を舐め廻しながら」

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