後脳(読み)コウノウ

デジタル大辞泉 「後脳」の意味・読み・例文・類語

こう‐のう〔‐ナウ〕【後脳】

脊椎動物の脳の一部で、中脳延髄に挟まれ、小脳きょうとを合わせた部分発生上、前脳・中脳・菱脳りょうのうに分かれたうち菱脳の前半部で、のち小脳と橋とに分化する。→

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精選版 日本国語大辞典 「後脳」の意味・読み・例文・類語

こう‐のう ‥ナウ【後脳】

〘名〙
① 脊椎動物の脳で、中脳と延髄とにはさまれた部分。小脳と脳橋とをいう。発生学では菱形脳が前後に区分されてからの前方の部分をいい、発生がすすむと小脳と脳橋ができる。上脳。〔解剖辞書(1875)〕
経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後「唯後脳に打ち創あるのみにて」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「後脳」の意味・わかりやすい解説

後脳
こうのう
metencephalon

脳の発生過程で菱脳から分化したもので,これはさらに橋と小脳に分化する。その内腔は第四脳室となる。

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世界大百科事典(旧版)内の後脳の言及

【脳】より

…脊髄管がその後も原形を比較的よく保ちながら脊髄に分化,発育するのに対して,脳管は胎児の成長につれて複雑に変形する。まず脳管は前脳胞,中脳胞,菱脳(りようのう)胞の三つの膨らみ(脳胞brain vesicle)に区分されるが,さらに前脳胞は終脳胞と間脳胞に,菱脳胞は後脳胞と髄脳胞に区分される。このように脳管が五つの脳胞から成立する時期は,ヒトでは胎生5週である。…

※「後脳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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