徐志摩(読み)じょしま

精選版 日本国語大辞典 「徐志摩」の意味・読み・例文・類語

じょ‐しま【徐志摩】

中国詩人。本名章浙江海寧の人。清華大学・北京大学教授。聞一多(ぶんいった)らと新詩運動を起こした。のち、胡適らを加えて新月社を設立し、創造社などの革命文学派と対立した。詩集に「志摩の詩」「翡冷翠(フィレンツェ)一夜」「猛虎集」など。(一八九七‐一九三一

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デジタル大辞泉 「徐志摩」の意味・読み・例文・類語

じょ‐しま【徐志摩】

[1897~1931]中国の詩人。海寧(浙江せっこう省)の人。英、米両国で政治経済ほか近代詩などを学び、帰国後、「詩鐫しせん」「新月」を刊行し、新詩運動に尽力新月派の代表的詩人。「志摩の詩」「翡冷翠フイレンツエの一夜」など。シュイ=チーモー。

シュイ‐チーモー【徐志摩】

じょしま(徐志摩)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「徐志摩」の意味・わかりやすい解説

徐志摩
じょしま / シュイチーモー
(1896―1931)

中国の詩人。本名章(しょうしょ)。浙江(せっこう/チョーチヤン)省海寧硤石(こうせき)の人。滬江(ここう)大学、北京(ペキン)大学などを経てアメリカとイギリスとに留学し政治学、経済学を学んだが、ケンブリッジ大学在学中から文学に志す。1922年帰国。北京大学、清華大学などの教授を歴任。この間北京で聞一多(ぶんいった)らとともに新月社を設立。26年北京で『晨報(しんぽう)』の副刊として『詩鐫(しせん)』を創刊、新しい格律詩の創造を提唱し、新詩運動に一時期を画した。タゴール心酔、26年には彼を中国に招いた。28年『新月』月刊を創刊、主義や党派に反対して「健康と尊厳」を唱え、文壇のブルジョア派とみなされて革命文学派と対立したが、31年飛行機事故で急死。詩集に『志摩の詩』『翡冷翠(フィレンツェ)の一夜』などがあり、理想主義的な情熱と新しい形式美によって一世を風靡(ふうび)した。

[伊藤虎丸]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「徐志摩」の意味・わかりやすい解説

徐志摩
じょしま
Xu Zhi-mo

[生]光緒21(1895)
[没]1931
中国の詩人。浙江省海寧の人。北京大学卒業後,アメリカ,イギリスに留学,政治,経済を学んだが,のち新詩の創作に専心。バイロン風の理想主義的な作風で詩壇に出た。 1924年帰国後は,北京大学,清華大学,光華大学,中央大学など,各地の大学で教鞭をとり,また胡適聞一多らと新月社を組織して活躍したが,飛行機事故で死亡した。作品に『フィレンツェの一夜』 (1927) ,『志摩の詩』 (28) ,『猛虎集』 (31) などがある。

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世界大百科事典(旧版)内の徐志摩の言及

【聞一多】より

…25年帰国。徐志摩(1896‐1931)らと《詩》《新月》《詩刊》などを編集。28年の詩集《死水》は詩壇文壇に大きな反響をよんだ。…

※「徐志摩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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