徒長枝(読み)とちょうし(英語表記)water sprout

精選版 日本国語大辞典 「徒長枝」の意味・読み・例文・類語

とちょう‐し トチャウ‥【徒長枝】

〘名〙 徒長状態にある枝。特に長く伸長した枝。花芽をつけず、樹形を乱すために切り去ることが多い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「徒長枝」の意味・わかりやすい解説

徒長枝 (とちょうし)
water sprout

果樹花木では,その年伸長した枝に花芽が着生するが,強い剪定せんてい)を行った場合などには,太枝の切口付近から,太く,直立し,節間が長く,遅くまで伸長を続ける枝が発生する。このような枝は徒長枝と呼ばれ,花芽を着けず,樹形を乱すために嫌われ,剪定の際に切り落とすのが普通である。花芽の着生は枝の炭水化物含量と関連があり,枝の生長が盛んで,葉で合成された炭水化物の多くがそれに消費され,枝に蓄積する炭水化物が少なくなると,花芽は着生しない。したがって,果樹や花木の栽培では枝葉の生長(栄養生長)と花芽の形成生殖生長)とをバランスよく行わせることが重要であるが,強い剪定を行ったり,雨が多かったりすると,このバランスがくずれ,栄養生長が盛んになり,徒長枝も多発する。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

盆栽用語集 「徒長枝」の解説

徒長枝

伸びたままの、勢いの強い枝のこと。徒長枝をそのままにしておくと、樹の養分がそこへ流れすぎるため他の枝の生長が遅くなる。養成中の樹や、枝・幹に太みを得たい場合は犠牲枝としてこれを放置することもある。いずれにしても組織成熟を伴わないまま太っていくので、花芽などは結実しにくい。

出典 (株)近代出版盆栽用語集について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android