御姫様(読み)おひめさま

精選版 日本国語大辞典 「御姫様」の意味・読み・例文・類語

お‐ひめ‐さま【御姫様】

〘名〙 (「お」は接頭語。「さま」は接尾語)
① 高貴な人の娘を敬っていう語。
※虎明本狂言・首引(室町末‐近世初)「とてもたすけさせられまひならば、おひめさまにくわれまらせう」
② 純情な、または、世事のことは一向わからないで、おっとりしている娘をたとえていう語。
歌舞伎傾城倭荘子(1784)二段「世の譬へにさへ、おぼこな女中さんをお姫様のやうなと云ふのに、どこにあれがお姫様」
③ (「ひめのり(姫糊)」から) 糊を東京の下町でいう。糊は夜になってから買いに行くものではないと信じられていたため、はじめ夜ことば(忌み詞の一種)として用いられた。

お‐ひめ‐さん【御姫様】

〘名〙 (「おひめさま(御姫様)」の変化した語)
※藪の鶯(1888)〈三宅花圃〉一〇「ひしゃくとかしゃくしとかの御姫(オヒメ)さんは、人の男をどろぼうしても、御法にはふれないのですか」
② (京坂地方で) 遊女娼妓
洒落本・箱まくら(1822)上「もふ夜半前でおますさかい、九兵へさん、いつものおひめさんをしらしませうなァ」

お‐ひい‐さま【御姫様】

〘名〙 「おひめさま(御姫様)」の変化した語。
落語・姫かたり(1890)〈三代目三遊亭円遊〉「浅草橋の方からガラガラガラと一梃来ました黒馬車は何処華族のお姫(ヒイ)さまか解りませんが」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「御姫様」の意味・読み・例文・類語

お‐ひめ‐さま【御姫様】

を敬っていう語。
純情で世事にうとく、おっとりした娘。お嬢様。
姫糊ひめのりから》糊。

お‐ひい‐さま【姫様】

おひめさま」の音変化。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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