御宝殿熊野神社例祭(読み)ごほうでんくまのじんじゃれいさい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御宝殿熊野神社例祭」の意味・わかりやすい解説

御宝殿熊野神社例祭
ごほうでんくまのじんじゃれいさい

福島県いわき市錦町大倉にある御宝殿熊野神社の 7月31日(宵祭)~8月1日(本祭)の祭り。31日夕刻,本祭の神輿渡御で勅使役を務める幼児(7歳未満の男児)が社務所に参籠する。その晩,宮司宅などで 10歳前後の男児による稚児田楽があり,その子供たちが参道やぐらで古川権左衛門を呼ぶ。古川権左衛門は神社と関係深い家で,本祭の神輿還御の際にキュウリを供える。午前0時,宮司と勅使役が本社と境内社を巡拝する丑の刻参拝式がある。翌朝,参道の東西に,東は 3本足のカラス,西はウサギを描いた物を取り付けた長さ 10mほどのを立て,本祭が始まる。本祭では,東が勝てば豊漁,西が勝てば豊作として,青年たちが競って参道の鉾を神前に立てる鉾立てが行なわれ,稚児田楽,やぐら上での風流(白鷺舞,青龍舞,雌雄鹿舞,獅子舞)と続き,夕刻に神輿渡御となる。この際,疲れた勅使が居眠りすると,神が乗り移ったとされる。神輿が戻ると,ウマを参道から境内に向けて走らせる早馬疾走が行なわれる。稚児田楽と風流は国指定重要無形民俗文化財。

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