御寺(読み)おてら

精選版 日本国語大辞典 「御寺」の意味・読み・例文・類語

お‐てら【御寺】

〘名〙 (「お」は接頭語)
① 「てら(寺)」をいう、尊敬丁寧語
狂歌・道増誹諧百首(1558‐69頃か)「ゑのこさへ御寺のかきにふりたまり うれしかりけり雪やかふかふ」
咄本・鹿の巻筆(1686)五「『また参りますも大儀じゃほどに、頼みます、寺請を』といへば、お寺『さてさておかしき物の言ひやうじゃ』」
③ (寺では檀家から物をもらっても返礼しない風習があるところから) 物をもらって返礼しないこと。もらいっぱなし。
※雑俳・柳多留‐三一(1805)「御持仏へ御寺を燈すきつい事」

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デジタル大辞泉 「御寺」の意味・読み・例文・類語

お‐てら【御寺】

「寺」の尊敬語美化語
御寺様」の略。
《寺では檀家から物をもらっても返礼しないところから》物をもらってもお返しをしないこと。もらいっぱなし。
仰願寺蝋燭こうがんじろうそく」の異称。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の御寺の言及

【泉涌寺】より

…京都市東山区にあり,東山連峰の月輪山(つきのわさん)の山麓の閑寂,高雅な環境にめぐまれた天皇家の菩提寺。泉山(せんざん),御寺(みてら)とも称し,中・近世には律を中心として台・密・禅の四宗兼学の寺院。明治以後,真言宗泉涌寺派の本山となった。…

※「御寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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