御座候(読み)ござそうろう

精選版 日本国語大辞典 「御座候」の意味・読み・例文・類語

ござ‐そうろう ‥さうら・ふ【御座候】

〘自ハ四〙 (尊敬語「ござある」の「ある」を「候う」にして丁寧の意を添えたもの。のちには、書簡文でもっぱら丁寧語として用いられた。敬意の度合はきわめて高い)
[一] 「ある」「いる」の意に尊敬・丁寧の意を含めたもの。
① 「ござある(一)」の丁寧語。いらっしゃいます。
謡曲・丹後物狂(1430頃)「この所に岩井殿と申す人のござ候ふか」
※虎明本狂言・毘沙門(室町末‐近世初)「それがし一人にてもなく、日比申合参たる人の御ざ候間」
② 「ある(一)」の丁寧語。あります。ございます。
※玉塵抄(1563)一八「尉が礼謝まうして過分かたじけなうはあれども古の詞をききをいたことござさうらう」
[二] 補助動詞として用いる。
① =ござある(二)①
※謡曲・自然居士(1423頃)「ここに自然居士(じねんこじ)と申す喝食(かつしき)のござ候ふが、一七日説法をおん述べ候ふ」
② =ござある(二)②
※謡曲・恋重荷(1423頃)「さながらおん庭は菊にてござ候ふ」
咄本・軽口御前男(1703)三「どうやら不奉公のやうに御座候ゆへ」
[語誌](1)「ご…候」の形式は「平家物語」などに多くの例を見るが、「御座候」は謡曲、虎明本狂言などに散見する程度でしかない。
(2)江戸前期の咄本では、「御座候」(否定形は「御座なく候」)は文語的色彩の強い文脈で使用されており、当時一般的な語ではなかったことが推定される。
(3)文語的性格が強かったため江戸期から明治大正期に至るまで専ら書簡文(候文体)で使用された。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「御座候」の解説

御座候

兵庫県姫路市、御座候が製造・販売する銘菓小麦粉などの原料を用いた皮の中に小豆粒餡を入れ型で焼いたもの。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

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