御徒町(読み)おかちまち

精選版 日本国語大辞典 「御徒町」の意味・読み・例文・類語

おかち‐まち【御徒町】

東京都台東区南西部の旧地名。JR山手・京浜東北線御徒町駅の東側一帯にあたる。江戸時代、幕府の御徒衆組屋敷が多かったところからいう。徒町。下谷御徒町。

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日本歴史地名大系 「御徒町」の解説

御徒町
おかちまち

[現在地名]和歌山市堀止西ほりどめにし二丁目

吹上ふきあげ地区の西南端、和歌道わかみち西側の三本の縦町で、和歌道筋西が東御徒ひがしおかち町、その西が中御徒町、さらに西に西御徒町があった。ともに江戸時代からあった名称で、元禄一三年(一七〇〇)の和歌山城下町絵図ではまだ屋敷は描かれていないが、寛政城下町絵図では三本の筋にぎっしりと武家屋敷が並ぶ。町の北方には水野美濃守下屋敷を囲んで御城代組屋敷があり、その東側の通りは城代じようだいとよばれた。

御徒町
おかちまち

[現在地名]鶴岡市大東町だいとうまち

五日いつかかた町の南裏、東西の道に沿った給人町。西端は五日町片町から南に入る天王小路てんのうこうじ。当町南側に屋敷をもつ御徒出口孫兵衛の家記には、寛文一二年(一六七二)新地屋敷を拝領したとあり、延宝元年(一六七三)しま村の土目録に一四石余が御歩行屋敷渡永引とみえることから、寛文一二年島村地内に新しく町割されたことになる(大泉掌故)

御徒町
おかちまち

[現在地名]金沢市東山ひがしやま一丁目

浅野川右岸に沿い、北西河端かわばた町から南東観音下かんのんした町へと続く通りを挟む両側町。御歩町とも記す。町名徒士の組地があったことによる(金沢古蹟志)。江戸時代、城下には当町のほかにも御歩町、水溜御歩みずためおかち町・油車御歩あぶらぐるまおかち町があったため(加能郷土辞彙)、当町は観音下御徒町・観音町御徒町ともよばれた(元禄六年侍帳)

御徒町
おかちまち

[現在地名]宇和島市御徒町・佐伯町さえきまち一丁目

歩行衆かちしゆうとよばれた中士が居住した町。東南神田じんでん川、北西は富沢とみざわ町に接し、東に御通おとおり橋、南に泰平寺たいへいじ橋があった。

文久二、三年(一八六二、三)頃の城下町絵図によると、二九軒の屋敷が認められる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「御徒町」の意味・わかりやすい解説

御徒町
おかちまち

東京都台東区(たいとうく)の南西部にあった一町名。現在の住居表示では消滅し、JR山手(やまのて)・京浜東北両線の上野―秋葉原(あきはばら)間にある御徒町駅、つくばエクスプレスの新御徒町駅、東京地下鉄日比谷(ひびや)線仲御徒町駅、都営地下鉄大江戸線新御徒町、上野御徒町の2駅、御徒町台東中学校にその名が残っている。江戸時代、将軍外出時に行列先導警護のため徒歩(かち)でお供をした御徒衆の屋敷があっておこった町名で、上野広小路御成道(おなりみち)に並行した東側の町であった。御徒衆の住んだ所は御徒町のほか、現在はなくなった仲御徒町、練塀町(ねりべいちょう)、松永町(千代田区)などにも及んでいた。

[菊池万雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御徒町」の意味・わかりやすい解説

御徒町
おかちまち

東京都台東区南西部の旧町名。 JR御徒町駅と西側の上野広小路の商店街周辺。地名の由来は,江戸時代,御徒衆の組屋敷があったことによる。第2次世界大戦後上野駅との間のガード下一帯に「アメ横」の名で知られる特異な商店密集地が出現した。 JR御徒町駅周辺には,宝飾品小売,卸売店が集中する。

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世界大百科事典(旧版)内の御徒町の言及

【上野】より

…1927年浅草との間に開通した地下鉄や京成電鉄も通じる。上野駅および東京芸術大学,上野図書館,東京国立博物館,国立西洋美術館,東京文化会館,上野動物園など文化施設の集まる上野公園を核とした上野地区は,すぐ南の御徒町(おかちまち)一帯の商業中心地とともに,高度経済成長期以前は東京の副都心としての地位を保っていたが,最近は新宿,渋谷,池袋より発達が遅れている。第2次世界大戦後の闇市のなごりをとどめ,食料品,雑貨などの卸小売商が集まるアメ屋横丁(アメ横)がある。…

※「御徒町」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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