御生(読み)おなま

精選版 日本国語大辞典 「御生」の意味・読み・例文・類語

お‐なま【御生】

〘名〙 (「お」は接頭語)
生魚(なまうお)をいう女房詞
② 鱛(なます)をいう女房詞。〔大上臈御名之事(16C前か)〕
③ 生意気をいう女性語。
雪夫人絵図(1948‐50)〈舟橋聖一〉一「こんどは、お生(ナマ)さんをいふもんぢやないよ」
④ 手を加えたりしないで、そのままであること。もと歌舞伎楽屋用語で、台本通りに少しもかえないでやることを「おなまにやる」といった。
※歌舞伎・島鵆月白浪(1881)三幕「おいらが若い時分に流行(はや)った脅しのゆすり文句、それをお生で今言ふは〈略〉、あんまり時代おくれだぜ」
⑤ 建築で、きずのない完全なものの称。「おなまの煉瓦」 〔日本建築辞彙(1906)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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