御茶子(読み)オチャコ

デジタル大辞泉 「御茶子」の意味・読み・例文・類語

おちゃ‐こ【御茶子】

京阪地方の劇場寄席などで、客を座席へ案内したり、飲食物などを運んだりする女性

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御茶子」の意味・読み・例文・類語

お‐ちゃのこ【御茶子】

〘名〙 (「お」は接頭語)
① 「茶の子」をいう、尊敬丁寧語。茶に添えて出す菓子。茶菓子。茶請(ちゃうけ)。点心(てんしん)
※御湯殿上日記‐文明一〇年(1478)八月二七日「かち井殿御まいり、御ちやのこ、御ちやまいる」
彼岸(ひがんえ)などの仏事で、後に参会者に配る菓子、乾物などの手軽な供え物。
滑稽本・穴さがし心の内そと(1863‐65頃)初「けふ彼岸のお茶の子買ひにいた残りを」
③ (形動)(茶請けとして出される茶菓は腹にたまらないところから) 容易にできること。たやすいこと。お茶の子さいさい。朝めし前。
洒落本・卯地臭意(1783)「何のあのくらへな酒に酔てたまるものでごぜへすか。此うへにまだ壱升や弐升はおちゃのこさ」

おちゃ‐こ【御茶子】

〘名〙
① 京阪の芝居茶屋、寄席(よせ)で、客を座席へ案内したり、座布団煙草盆弁当、お茶などを運んだりする女。通(かよ)い。
※歌舞伎・敵討天下茶屋聚(1832)二つ目「『アレアレ、何者か参りまする』『烏でないか』『イヤ、お茶子でござりまする』」
② 京阪で、明治一〇年(一八七七)頃まで、芝居茶屋の名義を借り、劇場の前で一幕見をすすめて客を呼びこんだ年輩の女。江戸では「かっぱ」という。

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