デジタル大辞泉
「御転婆」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
お‐てんば【御転婆】
〘名〙 (形動) つつしみやはじらいに乏しく、活発に動きまわること。また、そのさま。特に、そういう女性をいう。おきゃん。おてつく。
※雑俳・川柳評万句合‐宝暦一二(1762)梅三「おてんばか請込んでから食付せ」
※歌舞伎・浮世柄比翼稲妻(
鞘当)(1823)大切「親にまで恥をかかせるお転婆
(テンバ)め」
[語誌]
江戸語以降用いられているが、
語源には
諸説あり、
定説をみない。その中で、「大言海」はオランダ語 ontembaaar から「おてんば」が生まれたとする。しかし、同様の
意味を表わしうる「てんば」が既に近世前期にあるので、「てんば」を先行する語とみる方が自然か。ただし、「てんば」は「おてんば」より広い意味を持ち、「しくじること」「親不孝で従順でないこと」などの意で、
男女を問わず用いられ、現在でも西日本の
各地にそれらが残っている。したがって、「てんば」に
接頭語「お」を加えることによって「おてんば」になったと、単純にとらえることもできない。この点については、
上方で用いられていた「てんば」が江戸語として使用されるに際し、オランダ語 ontembaaar が何らかの形で作用し、新語形「おてんば」を生じると同時に、意味の
特定がなされたとの説もある。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報