復興金融公社(読み)ふっこうきんゆうこうしゃ(英語表記)Reconstruction Finance Corporation

日本大百科全書(ニッポニカ) 「復興金融公社」の意味・わかりやすい解説

復興金融公社
ふっこうきんゆうこうしゃ
Reconstruction Finance Corporation

1932年2月、アメリカ合衆国のフーバー政権により設立された連邦政府の融資機関。大恐慌経済危機の下で経営状態が悪化した企業に対し、政府資金の活用により救済、てこ入れすることを目的とし、資本金は5億ドル、また融資活動の資金調達のため20億ドルまで借り入れる権限を認められた。設立当初、とくにひどい窮状にあった金融機関と鉄道中心に貸付が行われたが、ニューディール期に一般企業への貸付や輸出入銀行をはじめとする他の政府機関への出資など、その機能が拡大し、さらに第二次世界大戦期には国防生産施設公社、その他の戦時機関を設立して、軍需生産増強の面でも重要な役割を果たした。

[新川健三郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「復興金融公社」の意味・わかりやすい解説

復興金融公社
ふっこうきんゆうこうしゃ
Reconstruction Finance Corporation

H.フーバー大統領の要請により大不況最中の 1932年1月 22日議会を通り設立されたアメリカ合衆国の政府金融機関。不況の進行に伴い農業商工業に融資をしていた諸銀行は存立危機に見舞われたが,復興金融公社は銀行や鉄道などに緊急融資をすることをその任務とし,その資金源を連邦政府に求めた。第2次世界大戦中は軍事生産のための特殊金融機関として活動し,戦後は中小企業向け貸出しをはじめ各方面に業務を拡大したが,共和党政権の私企業優先政策にのっとり 53年7月 30日の法案廃止が決定され,57年6月 30日施行された。

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