心心(読み)こころごころ

精選版 日本国語大辞典 「心心」の意味・読み・例文・類語

こころ‐ごころ【心心】

〘名〙
① 人それぞれの気持や考え。各自の心。
古今(905‐914)仮名序「月をおもふとて、しるべなきやみにたどれるこころごころをみたまひて、さかしおろかなりとしろしめしけむ」
② (形動) 人の気持や考えがいろいろであるさま。人さまざまであるさま。思い思い。
蜻蛉(974頃)中「又ある御返りに、鳥羽大里よりとあるを、いとをかしと思ひけんも、いかなる心心にもたるにかありけん」
歌謡・松の葉(1703)五・僧「こころごころの世の中なれや、花のうてなのつゆのいろ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「心心」の意味・読み・例文・類語

こころ‐ごころ【心心】

[名・形動ナリ]
人それぞれの心。
「それは人の―にこそさぶらはめ」〈夜の寝覚・一〉
人それぞれに考えが異なること。また、そのさま。思い思い。
「あるは薄色の下襲、すそごの袴、―にせられたり」〈宇津保・国譲下〉

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