デジタル大辞泉
「心掟」の意味・読み・例文・類語
こころ‐おきて【心×掟】
1 心の持ちよう。心構え。また、ものの考え方。
「幼かるべき程よりは、―大人大人しく目やすく」〈源・竹河〉
2 心に思い定めておいたこと。
「御裳着のことおぼし急ぐ御―、世の常ならず」〈源・梅枝〉
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こころ‐おきて【心掟】
〘名〙
① 心の持ち方。心構え。心得。思考態度。「心掟てあり」とは、しっかりしたものの考え方をしている意。
※
書紀(720)綏靖即位前(北野本南北朝期訓)「然れども其
(そ)の王
(きみ)、立操
(こころはへ)厝懐
(ココロヲキテ)、本
(もと)より
仁義(うつくしきことはり)に乖
(そむ)けり」
※栄花(1028‐92頃)月の宴「麗景殿御方の
七宮ぞ、をかしう、御こころをきてなど小さながらおはしますを」
② 先天的にそなわった、ものの考え方。性格。
気立て。
※
紫式部日記(1010頃か)
消息文「様よう、すべて人は
おいらかに、少し心をきてのどかに、おちゐぬるを本としてこそ、ゆゑもよしも、をかしく心やすけれ」
③ 具体的な問題について、心に思いきめていること。
意向。配慮。計らい。
※
源氏(1001‐14頃)梅枝「御裳着の事おぼしいそぐ御こころをきて、世の常ならず」
※
増鏡(1368‐76頃)九「
月花門院の御つぎに、いと貴く思ひ聞え給へりし昔の
御心をきてを、あはれに思し出でて」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報