心腹(読み)しんぷく

精選版 日本国語大辞典 「心腹」の意味・読み・例文・類語

しん‐ぷく【心腹】

〘名〙
① 胸と腹。胸腹。〔書経‐盤庚下〕
② むねのうち。はらのなか。思っていること。考え。胸中心中
※家伝(760頃)上「若得其意事必須成、請先作婚姻之昵、然後布心腹之策
まごころ。心のありたけ。〔史記‐鄒陽伝〕
④ 腹の底まで打ちあけて、頼りとすること。また、自分の体のように思うままになること。また、その人。腹心
※本朝文粋(1060頃)三・詳循吏〈大江挙周〉「故汝南之為心腹。勅韓崇而分憂。淮陽之作股肱
読本椿説弓張月(1807‐11)残「及心腹(シンフク)の老党たりし、八町礫紀平治太夫に再会して」

こころ‐ばら【心腹】

〘名〙 心に思っていること。本心。「こころばらを(が)立つ」の形で用いられる。

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デジタル大辞泉 「心腹」の意味・読み・例文・類語

しん‐ぷく【心腹】

胸と腹。
胸のうち。心中。胸中。「心腹を探る」
心から頼りにすること。また、その人。腹心。
昧者まいしゃの―となって牛馬が活動し得るのは」〈漱石草枕

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普及版 字通 「心腹」の読み・字形・画数・意味

【心腹】しんぷく

まごころ。最も重要なところ。〔戦国策、秦三〕秦韓地形、相ひ錯(まじ)はることの如く、秦の韓るは、木の蠹(と)(虫食い)り、人の心腹をむが(ごと)し。天下變らば、秦のを爲すは、韓より大なるは(な)し。王、韓を收むるに如(し)かず。

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