志賀坂峠(読み)シガサカトウゲ

デジタル大辞泉 「志賀坂峠」の意味・読み・例文・類語

しがさか‐とうげ〔‐たうげ〕【志賀坂峠】

群馬県南部・埼玉県西部の県境にある峠。標高876メートル。昔から関東信濃しなのを結ぶ重要な道路で、現在は国道が通る。北東二子山(標高1166メートル)、南方両神りょうかみを望む。

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日本歴史地名大系 「志賀坂峠」の解説

志賀坂峠
しがさかとうげ

河原沢かわらさわと群馬県多野たの中里なかざとはらとの境にある標高八九八メートルの峠。「鹿坂」(武蔵演路)などとも記した。永禄一二年(一五六九)夏の甲斐武田勢による秩父侵攻は、当峠越が使われたといわれる。江戸時代当峠越の道は秩父側で信州街道信濃側では武州街道とよび、「風土記稿」にも「道幅凡六尺(中略)信州ヘノ往還ナリ」と記される。しかし、峠は信州境にあるのではなく上州との境に位置した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「志賀坂峠」の意味・わかりやすい解説

志賀坂峠
しがさかとうげ

埼玉県西部にある峠。埼玉県秩父(ちちぶ)郡小鹿野町(おがのまち)と群馬県多野(たの)郡神流町(かんなまち)との県境にあり、関東と信濃(しなの)とを結ぶ往還として、昔からよく利用されていた。国道299号が走る。標高876メートル。1959年(昭和34)高度800メートルの所にトンネル開通し、自動車によって越えられるようになった。北に二子(ふたご)山、南に両神(りょうかみ)山を望み、風景が美しいので、観光や登山に利用されている。

[中山正民]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「志賀坂峠」の意味・わかりやすい解説

志賀坂峠
しがさかとうげ

埼玉県北西部小鹿野町と群馬県中里との境にある峠。標高 876m。秩父地方から神流 (かんな) 川上流部,十石峠を経て,長野県の佐久地方へ通じる。古くからよく利用され,第2次世界大戦後は峠の下に志賀坂トンネルが通じて自動車交通が開けた。国道 299号線が通る。峠付近は眺望にすぐれ,ハイキングコースとしてよく利用される。

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世界大百科事典(旧版)内の志賀坂峠の言及

【小鹿野[町]】より

…中心集落の小鹿野は赤平川の谷口集落で,江戸時代には絹の取引が行われた市場町であった。志賀坂峠をこえて上州に通じる国道299号線沿いに町並みが発達し,西秩父の行政・商業の中心となっている。1970年代,電気部品,精密機器などの中小工場がふえ,一時的に人口減少に歯止めがかかったが,近年再び減少してきている。…

※「志賀坂峠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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