忠直卿行状記(読み)ただなおきょうぎょうじょうき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「忠直卿行状記」の意味・わかりやすい解説

忠直卿行状記
ただなおきょうぎょうじょうき

菊池寛小説。 1918年発表。越前国の藩主松平忠直は,徳川家康の孫として気ままに育ったが,家臣たちの阿諛追従を嫌って真実を探ろうとし,さまざまな手段を尽すが,ついに報われない。しかし,真実追求狂気は果てることなく,ために家は改易になり,地位を離れて初めて安らかな生活に入る。暴君と称された忠直の心理に新しい解釈を与えたもので,作者出世作となった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android