快傑黒頭巾(読み)かいけつくろずきん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「快傑黒頭巾」の意味・わかりやすい解説

快傑黒頭巾
かいけつくろずきん

大衆児童文学の作家高垣眸(たかがきひとみ)の長編時代小説。1935年(昭和10)1月から12月、『少年倶楽部(くらぶ)』に連載。主人公三葉(みは)・珠三郎(たまさぶろう)の姉弟で、江戸城中に捕らわれている軍学者の父山鹿士行(やまがしこう)を救出しようとする。この姉弟の危機を幾度も救ってくれる黒頭巾の武士があり、目的成就ののち、この謎(なぞ)の武士は近くに住む易者の天命堂で、実は姉弟の兄であると判明する。昭和10年代、大衆児童文学興隆期の秀作の一つで、以来、再三映画化、テレビ化された。

上笙一郎

『『快傑黒頭巾』(『少年少女世界の名作50』所収・1973・小学館)』『二上洋一著『少年小説の系譜』(1978・幻影城)』

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デジタル大辞泉プラス 「快傑黒頭巾」の解説

快傑黒頭巾

①高垣眸による時代小説。1935年発表。神出鬼没正義ヒーロー、黒頭巾の活躍を描く。
②①を原作とした日本のテレビドラマ。放映は日本テレビ系列(1958年9月~1960年4月)。主演は若柳敏三郎、次いで外山高士。その他の出演に松浦浪路、市川恵美ほか。
③①を原作とした日本のテレビドラマ。放映はフジテレビ系列(1966年1月~4月)。出演:加島潤、桐山明子、金子光伸ほか。
④①を原作としたNHKのテレビドラマ「少年ドラマシリーズ」の作品のひとつ。放映は1976年11月~1976年12月。脚本:大藪郁子。出演:坂東八十助、杉田かおるほか。幕末の頃、江戸の町を舞台に活躍する黒頭巾の姿を描く。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「快傑黒頭巾」の解説

快傑黒頭巾 かいけつくろずきん

高垣眸(ひとみ)の同名の時代小説の主人公。
昭和10年「少年倶楽部(クラブ)」に連載される。謎(なぞ)の黒頭巾の武士で,江戸城中に捕らえられている父山鹿士行を救出しようとする三葉,珠三郎姉弟の危機をしばしばすくう。姉弟が目的をはたしたのち,この武士が姉弟のちかくにすむ易者であり,実の兄だったことがわかる。

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