怒張(読み)どちょう

精選版 日本国語大辞典 「怒張」の意味・読み・例文・類語

ど‐ちょう ‥チャウ【怒張】

〘名〙 (「怒」は勢いのさかんな意)
① はれてふくれること。ふくれあがること。
太平記(14C後)二四「祖師の心印空く叫騒怒張(トチャウ)の中に堕つべし」
② 肩や筋肉などをいからせること。
※近代批評の意義(1906)〈島村抱月〉「体躯手足の筋肉の怒張に、非常なる苦闘の力を表し」 〔米芾‐論書〕
③ 筆の力の勇ましいこと。また、書道では「険抜怒張」の形で用いて、筆に力がはいりすぎることをいう。
随筆・鑒禅画適(1852)南北述古「奇抜怒張なれば達者と心得」

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デジタル大辞泉 「怒張」の意味・読み・例文・類語

ど‐ちょう〔‐チヤウ〕【怒張】

[名](スル)
血管などが、ふくれること。「怒りで額の血管を怒張させる」
肩や筋肉などを、いからして張ること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「怒張」の読み・字形・画数・意味

【怒張】どちよう(ちやう)

誇張した、粗豪のさま。宋・米〔海岳名言〕筋骨は、柳(公権)より出づ。世人は但だ、怒張を以て筋骨と爲す。怒張せざるも、自ら筋骨ることを知らず。

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