(読み)おじる

精選版 日本国語大辞典 「怖」の意味・読み・例文・類語

お・じる おぢる【怖】

〘自ザ上一(ダ上一)〙 お・づ 〘自ダ上二〙 おそれる。こわがる。驚きおびえる。
仏足石歌(753頃)「雷(いかづち)の光の如きこれの身は死(しに)大王(おほきみ)常にたぐへり於豆(オヅ)べからず」
※竹取(9C末‐10C初)「人のあまたのぼりゐたるにおぢて巣にものぼりこず」
[語誌](1)「驚く」などと語源的な関わりがあり、「恐る」が意識的・精神的であるのに対して、どちらかといえば反射的・無意識的・身体的反応をいう。中古まで「恐る」が文章語であったのに対して、口頭語として盛んに用いられたが、中世以後「恐る」が意味を広げながら一般化してきたのに伴って、次第に衰えてゆく。
(2)衰退要因には、「恐る」に対する「恐ろしい」のような対応する形容詞が「おづ」にはなく、中世に恐怖の意をもつようになった「こはし」と対応をもつ「こはがる」にその座を譲ったことも考えられる。→「おそれる(恐)」の語誌

おじ・ける おぢける【怖】

〘自カ下一〙 恐ろしさのためびくびくして、しりごみする。こわがる。ひるむ。〔和英語林集成初版)(1867)〕
※銀の匙(1913‐15)〈中勘助〉前「私はひどくおぢけてとかくひっこみがちになってしまった」

お・める【怖】

〘自マ下一〙 お・む 〘自マ下二〙 気おくれする。おそれる。
保元(1220頃か)上「武将の身として、夢見、物忌など余りにをめたり」

お・ず おづ【怖】

〘自ダ上二〙 ⇒おじる(怖)

お・む【怖】

〘自マ下二〙 ⇒おめる(怖)

こわ・し こはし【怖】

〘形ク〙 ⇒こわい(怖)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「怖」の意味・読み・例文・類語

ふ【怖】[漢字項目]

常用漢字] [音](呉) [訓]こわい おじる おそれる
びくびくする。こわがる。「畏怖いふ恐怖驚怖
難読怖気おじけ怖気おぞけ

こわ〔こは〕【怖/恐】

《形容詞「こわ(怖)い」の語幹》恐ろしいこと。多く、感動表現に用いる。「おお、―」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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