思召(読み)おぼしめし

精選版 日本国語大辞典 「思召」の意味・読み・例文・類語

おぼし‐めし【思召】

〘名〙 (動詞「おぼしめす(思召)」の連用形の名詞化)
① お考え。お気持
(イ) ある事についての計画や見込み
※宇津保(970‐999頃)吹上下「忠こそ、かくなりにたれば見知る人もなけれど、『おぼしめしもこそ出づれ』と、悲しくいみじく思ふ」
(ロ) 好意を含んだ考えや意向
※隣語大方(18C後)四「正官より別段の御思召を以、御了簡なされ下被まして」
異性を恋い慕う気持。
(イ) 相手の異性が自分を愛してくれる気持。
※浮世草子・好色一代男(1682)二「さ程におほし召(メシ)とは、聊(いささか)存ぜす。さもあらば、今宵廿七日月もなき夜こそ人もしらまし、しのばせられよ」
(ロ) 異性を愛している気持の現われを、第三者がややひやかし気味にいう。
婦系図(1907)〈泉鏡花〉後「姉さんが誰と話をしたって事、不残(のこらず)旦那様御存じなの、最(も)う思召(オボシメシ)ったら無いんですからね」
喜捨、見料などで、額を定めないで、払う人の考えに任せること。
※東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉一月暦「値段を聞くと、番僧さんが『思召(オボシメシ)で宜しう御座います』と云ふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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