思忘(読み)おぼしわする

精選版 日本国語大辞典 「思忘」の意味・読み・例文・類語

おぼし‐わす・る【思忘】

〘他ラ下二〙 (「おもいわする(思忘)」の尊敬語自動詞のようにも用いる) おぼえていらっしゃったことが頭から消える。記憶をおなくしになる。
大和(947‐957頃)一〇〇「『花おもしろくなりなば、かならず御らむぜん』とありけるをおぼしわすれて、おはしまさざりけり」

おもい‐わす・る おもひ‥【思忘】

〘他ラ下二〙 (自動詞のようにも用いる) 覚えていたことが頭から消えてしまう。また、すべきことをうっかりやらないで過ごす。
万葉(8C後)六・九一四「滝の上のみ船の山はかしこけど思忘(おもひわするる)時も日もなし」

おもい‐わすれ おもひ‥【思忘】

〘名〙 忘れること。すべきことをうっかりしおとすこと。
平家(13C前)三「平家の思ひわすれかや、執筆(しゅひつ)のあやまりか。こはいかにしつる事共ぞや」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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