性交無欲症(読み)せいこうむよくしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「性交無欲症」の意味・わかりやすい解説

性交無欲症
せいこうむよくしょう

女性にみられる量的性欲異常で、冷感症ともいう。処女では性交欲を欠いているか、あるいはほとんどないが、結婚後、漸次発現してくるのが常である。しかし長期間あるいは一生これを知らない女性があり、これを性交無欲症という。しかし性交欲はあるが性交に伴う快感が少ないか、あるいはまったく感知しない不感症との区別は困難な場合が多い。本症の原因は複雑であるが、性器の発育不全や形態異常のような器質的障害や内分泌疾患によるものや、性交に対する不潔感、嫌悪恐怖羞恥(しゅうち)などの心因性のものが多く、またパートナー間の愛情不足、男性側の粗暴あるいは無理解な態度が原因となることもある。

[白井將文]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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