恋愛(読み)れんあい

精選版 日本国語大辞典 「恋愛」の意味・読み・例文・類語

れん‐あい【恋愛】

〘名〙 特定異性に特別の愛情を感じて恋い慕うこと。また、その状態。こい。愛恋
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉二「嘗て村中少女を見て、深く恋愛し、その家に往きたるに」
[語誌]中国ではロプシャイトの「英華字典」(一八六六‐六九)に既に見えるが、日本では明治初年(一八六六)以来、英語 love の訳語として「愛恋」「恋慕」などとともに用いられ、やがて明治二〇年代から「恋愛」が優勢になった。

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デジタル大辞泉 「恋愛」の意味・読み・例文・類語

れん‐あい【恋愛】

[名](スル)特定の人に特別の愛情を感じて恋い慕うこと。また、互いにそのような感情をもつこと。「熱烈に恋愛する」「社内恋愛
[類語]愛恋あいれん恋情れんじょう恋慕れんぼ思慕しぼ眷恋けんれん色恋いろこい慕情ぼじょう恋心初恋狂恋悲恋片恋片思い岡惚れ横恋慕失恋ラブアムールアモーレロマンス

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「恋愛」の意味・わかりやすい解説

恋愛
れんあい
love

恋愛は男女対人関係の一つであって、相手と合一しようとする強い愛情をいう。その根底には強い性的興奮がある。青年期に多くみられる現象で、青年期に性の発達が進み、異性を求める欲求が強まるためと解されている。したがって恋愛は結婚という肉体的関係へのステップだといわれる。そこにまた純粋な恋愛とか不純な恋愛とかという倫理的評価が生じる。相手を道具視し、利己的・打算的な恋愛を不純なものだというが、これも今日のような若者社会のなかでどう考えられているか一概にいえない。

 恋愛の心理的状態を考えるとき、第一の条件は愛に溺(おぼ)れるところがあることである。すなわち正常な判断のできない状態だという。したがって正邪の判断のできるわけもないし、結果よりも、そうしたいちずに相手の愛情を得ようとする過程が恋愛だというのである。第二には相手に対する魅力の認知があること。身体的・能力的・経済的魅力をあげることができる。しかもこれも第一の条件から美化作用が生じて、「あばたもえくぼ」式の魅力となることもあろう。本来人間の認知にはそうした特性がある。第三には信頼であり、人間関係の長期的な持続は相手への信頼感、尊敬の念によるものである。恋愛は強い独占欲にも支えられているので、友情などでは考えられない横暴さ、わがままがあり、これが恋愛関係をつねに脅かし、ときには離反に導く。この鍵(かぎ)は信頼関係の樹立だろう。

 恋愛の深まりは自己開示self-presentationと関係のあることを、多くの学者は指摘している。それは自分の個人的情報を相手に伝えることであって、それが相互的になることによって親密度は深まる。「あなただけに知らせる」「私だけが知っている」といった気分が相互依存的な関係となり、あるときは2人のための責任を果たすことにもなる。この段階を愛着attachmentとよび、好意を相互に深く感じ、また相互に強い影響を与え合うことになる。

 恋愛は自己の価値に気づき、人生観を変え人間的に円熟することを促すものと解されている。逆に恋に破れた人が死を選んだりする事実から、「生きる意味」に関する重大なできごとといえるであろう。

[本明 寛]

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普及版 字通 「恋愛」の読み・字形・画数・意味

【恋愛】れんあい

こい。

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