息差(読み)いきざし

精選版 日本国語大辞典 「息差」の意味・読み・例文・類語

いき‐ざし【息差】

〘名〙 (「ざし」は様子の意)
① 息づかい。呼吸のさま。
大鏡(12C前)四「御いきざしなどいとくるしげなるを」
② 気負いや嘆きなどの激しい感情が、息づかいや言葉づかいに表われたもの。荒々しい意気込み。また、嘆きや不平の口ぶり。
書紀(720)神代下(丹鶴本訓)「其の辞気(イキザシ)慷慨(はげ)し」
③ ようす。気色
※和漢朗詠(1018頃)下「気調のいきざしは兄のごとし、崔季珪が小妹なればなり〈張文成〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「息差」の意味・読み・例文・類語

いき‐ざし【息差(し)】

息づかい。
「奥二階の方に当たって、どうやら人の―が聞える」〈木下尚江良人の自白
ようす。気配
「さまざまに嘆く人々の―をきくも、あはれにもあり」〈かげろふ・下〉
[類語]呼吸気息息の根寝息息吹息衝き息遣い

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