悪世（読み）あくせ

精選版 日本国語大辞典

あく‐せ【悪世】

〘名〙 (「世」は時間的・空間的双方の意に用いる)

① 悪い世。悪事の行なわれる世の中。仏法の衰えた時代。特に、末法の世についていう。末世。悪世界。

※聖徳太子伝暦（917頃か）上「末劫衆生。化登_二浄土_一。五濁悪世。還為_二佉_一」

※狭衣物語（1069‐77頃か）一「さこそ、おぼし離れたれど、なほ、このあくせに生れ給にければにや」 〔阿彌陀経〕

② 悪い宿世(すくせ)。前世からの悪い巡り合わせ。

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

あく‐せ【悪世】

悪い世の中。特に、仏法の衰えた時代。末法の世。末世。
「末代―に及ばんまで、この仏を一称一礼せん人は」〈今昔・一一・一五〉

出典　小学館