コンピュータ、デジタル機器、半導体などの情報技術(IT)関連製品の関税撤廃を定めた多国間協定。世界貿易機関(WTO)協定の一つで、1997年に発効した。正式名称は「情報技術製品の貿易に関する閣僚宣言」で、英語名を略してITAとよばれることもある。世界規模でIT分野の貿易自由化を促進し、関連製品の低価格化や社会インフラの整備を通じて、消費者の利便性向上や雇用機会の創出を目的とした協定である。対象品目はデジタル機器、ナビゲーションシステム、タッチスクリーン、ビデオゲーム機、医療機器、半導体製造装置など201品目で、2024年までに全品目の関税を撤廃する。またIT分野の非関税障壁について協議することも定めている。同協定参加国は、2015年末時点で、日本、アメリカ、ヨーロッパ連合(EU)、中国、ロシア、インド、韓国、台湾など82か国・地域。
日本、アメリカ、EUなど29か国・地域は1996年、コンピュータ、電話、ファクシミリ、記憶媒体ディスクなどIT関連製品(144品目)の関税を撤廃するITAに合意。翌1997年に発効し、2000年までに関税を撤廃した。その後、新たなデジタル製品が相次いで開発されながら、対象は157品目までしか増えなかった。このため協定参加国のうち日本、アメリカ、EU、中国、韓国、台湾などの53か国・地域は2012年から対象品目を拡大する交渉を進め、2015年末に合意した。拡大協定の発効は2016年7月で、発効から3年以内に89%の品目(輸入額では95%以上)の関税を撤廃する。拡大した対象品目の年間貿易額は1兆3000億ドルに達し、これは全世界の貿易額の10%に相当する。
[矢野 武 2016年7月19日]
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