愚図愚図(読み)ぐずぐず

精選版 日本国語大辞典 「愚図愚図」の意味・読み・例文・類語

ぐず‐ぐず ぐづぐづ【愚図愚図】

[1] 〘副〙 (「愚図愚図」は当て字。「と」を伴って用いることもある)
① 物の言い方や動作などがあいまいではっきりしない様子、のろのろしたさまを表わす語。ぐずりぐずり。くすくす。
四河入海(17C前)一「一生涯くつくつとして不遇ですぐるぞ」
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二「友人へ又借しをしたといふて愚図愚図(グヅグヅ)して返さんワイ
不平などを、あれこれとつぶやくさまを表わす語。
真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉一九「何をぐづぐづ云ふのだ」
食物などが煮えるさま、また、その音を表わす語。ぐつぐつ。
※落語・二人癖(1896)〈三代目柳家小さん〉「此大根をグズグズ煑たら飲めるなんて」
[2] 〘形動〙
① 固くしまっていない様子。しっかり固定していないさま。
浅草(1931)〈サトウハチロー〉浅草ナンセンス「帯がぐづぐづになってしまったんですもの
態度がはっきりしないさま、また、物事にしまりがなくなるさま。
夫婦(1904)〈国木田独歩〉五「ぐづぐづで泣き寝入るのと、さてはと膝を拍って悟るのとは」

ぐずら‐ぐずら ぐづらぐづら【愚図愚図】

〘副〙 (「愚図愚図」は当て字。「と」を伴って用いることもある) 動作が非常に鈍いさまや、不平などをぶつぶつ言うさまを表わす語。ぐずぐず。
浄瑠璃源平布引滝(1749)二「最前から、落よ落よといふに聞入ず、ぐずらぐずらと。お身も武士の妻でないか」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「愚図愚図」の意味・読み・例文・類語

ぐず‐ぐず〔ぐづぐづ〕【愚図愚図】

[副](スル)
のろのろといたずらに時間を費やすさま。「借金返済愚図愚図(と)引き延ばす」
ぶつぶつ不平を言うさま。また、幼児がむずかるさま。「いつまでも愚図愚図言うな」
天候がはっきりしないさま。「梅雨時の愚図愚図した天気」
物の煮えたつ音。また、そのさまを表す語。
「鍋の―と濁った声を立てて居る間」〈長塚
[形動]
ゆるんでしまりのないさま。また、しまりがなくなり崩れるさま。「帯が愚図愚図になる」「豆腐愚図愚図になる」
態度がはっきりしないさま。また、物事にしまりがないさま。
その夜代助は平岡と遂に―で分れた」〈漱石それから
[補説]「愚図愚図」は当て字。[アクセントズグズ、はグズグズ
[類語]1のろのろもたもたのっそり遅いのろいのろくさいまだるいまだるっこいとろい緩慢緩徐遅緩スロースローモー遅遅ちちそろそろゆっくりだらだらのろま鈍重ちんたらぐじぐじいじいじもじもじ因循くよくよくよくようじうじうろうろうろちょろどぎまぎおたおたまごまごどぎどぎそわそわもぞもぞのさのさのそのそとぼとぼのこのこのそりのっしのっしのしのし便便だらり便便のんべんだらりずぼらものぐさぐうたらだらしないしだらないぬらりくらりのらりくらりぬらくらのらくらちゃらんぽらん無精ルーズぶらぶらごろごろ無気力だらけるのほほん風太郎ぷうたろうその日暮らしふしだら自堕落ずるける怠ける手を抜く手抜き骨惜しみ投げ遣りレイジー怠慢怠惰無為拱手きょうしゅ横着怠るサボるイージーイージーゴーイング風の吹くまま気の向くまま油を売るまったり漫然たるむぬるま湯ぬるま湯につかる/(2うだうだぐだぐだくだくだくどくどぶつぶつぶうぶうぶつくさがたがたつべこべたらたらへどもどしどろもどろああだこうだ四の五の四の五の言う不服不平不満不満足不足鬱憤うっぷん物足りないあっけないあえない飽き足りない食い足りない意に満たない期待外れ当て外れ不本意いら立ちいらつくいら立つ今一いまいち今一つもう一つ不完全燃焼フラストレーションクレーム鬱積うっせき不承知心外愚痴繰り言難色難色を示す首を振る首を横に振る首をひねるかぶりを振る如何なものか口を尖らす

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