感情労働(読み)かんじょうろうどう(英語表記)Emotional labor

知恵蔵mini 「感情労働」の解説

感情労働

顧客などの満足を得るために自身の感情をコントロールし、常に模範的で適切な言葉・表情・態度で応対することを求められる労働のこと。「肉体労働」「頭脳労働」に続く第3の労働形態として、米国の社会学者アーリー・ホックシールドが提唱した。具体的には、旅客機客室乗務員をはじめとする接客業、営業職、医療職、介護職、カウンセラーオペレーター教職などが挙げられるが、近年はあらゆる職種で感情労働を強いられるケースが増加傾向にある。感情労働による疲労や心の傷は回復しにくく、メンタルヘルスの不調を引き起こすことも少なくないため、社会問題化している。

(2018-3-20)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

人事労務用語辞典 「感情労働」の解説

感情労働

「感情労働」とは、アメリカの社会学者A.R.ホックシールドが提唱した働き方の概念で、感情の抑制鈍麻(どんま)、緊張忍耐などを不可欠の職務要素とする労働のことです。体力を使って対価を得る「肉体労働」やアイデアなどを提供する「頭脳労働」に対して、感情労働に従事する者はつねに自分自身の感情をコントロールし、相手に合わせた言葉や態度で応対することが求められます。
(2011/3/14掲載)

出典 『日本の人事部』人事労務用語辞典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android