(読み)つつましい

精選版 日本国語大辞典 「慎」の意味・読み・例文・類語

つつまし・い【慎】

〘形口〙 つつまし 〘形シク〙 (動詞「つつむ(包)」の形容詞化)
① 他に対して心が置かれ気恥ずかしい。気がひける感じである。きまりが悪い。
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「かかる里住にも、うひうひしき心地し侍れば、つつましく思ひ給へられて」
御伽草子文正草子(室町末)「姫君これを見給ひて、顔うち赤めて、つつましながら見給へば」
自ら挙動が重々しく控えめであるさま。表だたないで控えめである。思慮深い
和泉式部日記(11C前)「そのこととさぶらはでは馴れ馴れしきさまにやとつつましう候ふうちに」
③ 贅沢でない。地味で質素である。つましい。つづましい。
帰郷(1948)〈大仏次郎〉霧夜「つつましいながら自分の望む流儀で幸福に老後を送らうとする」
つつまし‐げ
〘形動〙
つつまし‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「慎」の意味・読み・例文・類語

しん【慎〔愼〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]シン(漢) [訓]つつしむ
手落ちのないように気を配る。つつしむ。「慎重戒慎謹慎
[名のり]ちか・のり・まこと・みつ・よし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【謹慎】より

…言動を控え,みずからを戒めることで,刑罰・制裁としても科せられた。江戸時代,慎(つつしみ)と称した公家・武士の閏刑(じゆんけい)(特定の身分の者や幼老・婦女に対し本刑の代りに科す刑)は,《公事方御定書》が規定する塞(ひつそく),遠慮に類似の自由刑で,他出・接見などの社会的活動を制限することに実質的意義があったが,また名誉刑的な性格ももつ。幕末には大名処罰に隠居と併科された例が多くみられる。…

※「慎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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