慮外（読み）リョガイ

デジタル大辞泉

りょ‐がい〔‐グワイ〕【慮外】

［名・形動］
１ 思いがけないこと。また、そのさま。「慮外な（の）ことを言う」
２ 無礼であること。また、そのさま。ぶしつけ。「慮外ながら一言申し述べます」「慮外千万」
[類語]（1）思いのほか・案外・思いがけない・意外・存外・望外・予想外・意表・なかなか・思いも寄らない・なかなか・意想外・心外・不慮・ゆくりなく・もし・仮に・たとえ・もしか・よしんば・たとい・よしや・もしも・万一・万一ばんいち・万が一・万万一・もしや・もしかしたら・もしかすると・ひょっとすると・ひょっとしたら・ひょっとして・あるいは・もしかして・どうかすると・下手すると・一つ間違えば・あわよくば・まかり間違う・よもや・まさか・万万ばんばん・夢か現うつつか・図らずも・はしなく・はしなくも・思いがけず・突然・唐突・案に相違する・意表を突く・まぐれ・ひょんな・ひょっと・ゆくりなし・我にもなく・期せずして・悪くすると・事と次第による・事によると・ともすると・ややもすれば・何かにつけ・何かと言えば・折に触れて・もしくは・はたまた・ないし・偶然・たまさか・時として・かも知れない・思わず・思わず知らず・我知らず・知らず知らず・折もあろうに・折悪しく

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

りょ‐がい ‥グヮイ【慮外】

〘名〙 (形動)

① 思いのほかであること。意外であること。思いがけないこと。また、そのさま。案外。意外。

※万葉（８Ｃ後）二・一二六左注「於_レ是仲郎暗裏非_レ識_二冒隠之形_一、慮外不_レ堪_二拘接之計_一、任_レ念取_レ火、就_レ跡帰去也」

※三国伝記（1407‐46頃か）五「若慮外に一句をも聞く事有らば思出せと言ふに」 〔晉書‐毛璩伝〕

② (思いがけないありがたいことの意から) 主に、話しことばに用いて、ありがたい、かたじけない、恐縮だなど、感謝の意を表わす。

※虎明本狂言・樽聟（室町末‐近世初）「『やいやいこひやひ』『あっ』『扨も扨もりょぐゎいな事で御ざる』」

③ (━する) 思いもよらない不法・不当な態度や行為についていう。ぶしつけなこと。不埒なこと。無礼なさま。無遠慮なふるまい。また、そのようにふるまうこと。

※今昔（1120頃か）二五「一とせの盧外(りょぐゎいの)馬咎めに射し候ひし男の子の」

④ (「ながら」「なれど」を伴うことが多い) 無礼をわびる意を表わす。失礼ですが。おそれいりますが。はばかりながら。

※虎明本狂言・鎧（室町末‐近世初）「慮外ながらこしをかけまらする」

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【慮外】りよがい（ぐわい）

意外。思いがけぬ。〔晋書、毛伝〕（詔）故(もと)の州刺、～王忠烈、事、慮外に乖(そむ)く（暗殺された）。日し。測愴を懷く。～錢三十・布三百匹を給す。

字通「慮」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」