懸河の弁(読み)ケンガノベン

デジタル大辞泉 「懸河の弁」の意味・読み・例文・類語

懸河けんがべん

水を上から流すように、とどこおりなく弁舌を振るうこと。「滔々とうとうたる懸河の弁

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精選版 日本国語大辞典 「懸河の弁」の意味・読み・例文・類語

けんが【懸河】 の=弁(べん)[=雄弁(ゆうべん)・妙弁(みょうべん)

早瀬のように勢いよくすらすらとよどみのない弁舌。快弁
三教指帰(797頃)上「但懸河妙辯、舌端短乏、北海湛智、心府匱窶」

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故事成語を知る辞典 「懸河の弁」の解説

懸河の弁

勢いよく、よどみのない話しぶりのたとえ。

[使用例] 藤次郎は、いつかは一かどの弁護士になって懸河の弁を法廷で振うつもりでいた[浜尾四郎*夢の殺人|1929]

[由来] 「世説新語賞誉」に記されたエピソードから。三~四世紀、中国の西せいしん王朝の時代。かくしょうという学者は、頭の回転が速く、弁舌にすぐれていました。ある人はよく、「郭象が語るのを聞いていると、『懸河の水をそそぐがごとし(空からつり下げたような急な川を、水が流れていくようだ)』で、流れが途切れることがない」と言っていた、ということです。

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