我我(読み)われわれ

精選版 日本国語大辞典 「我我」の意味・読み・例文・類語

われ‐われ【我我】

[1] 〘代名〙
① 自称。「われ(我)」の複数を表わす。われら。わたくしたち。
※御伽草子・あめわかみこ(室町時代物語集所収)(室町末)「よはひかたぶくわれわれを、すててはいつくへ行けるぞ」
※浮世草子・武道伝来記(1687)六「三人一所により挙(こぞ)て、とかく我々(ワレワレ)の敵は新四郎にまがひなしと」
② 自称。単数を表わす。わたくし。へりくだって用いる。
※御伽草子・藤袋の草子(古典文庫所収)(室町末)「我々は、ことのほかゑいて、かほが、あかくなりて」
③ (反射指示) 各自。めいめい。おのおの。
※土井本周易抄(1477)一「分々の職で我々の職を守らば訟は起まいぞ」
対称。複数。おまえたち。
※浮世草子・本朝桜陰比事(1689)一「然ども我々どもは様子をしるべし、何観音の尊像なるぞ、両方より申出べし」
[2] 〘名〙 それぞれ一人一人。自分自身。
※玉塵抄(1563)一六「男女もはなれわれわれにちりうせて」
[補注]近世前期、(一)①の自称は、武士公卿が用いた。類義語「われら」は町人も用いた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「我我」の意味・読み・例文・類語

われ‐われ【我我】

[代]
一人称人代名詞。「われ」の複数。わたくしたち。われら。「我我の出る幕ではない」
一人称の人代名詞。単数を表す。へりくだる気持ちを含んでいう語。わたくし。
「―はことのほか酔ひて」〈伽・藤袋草子〉
反射代名詞。各自。めいめい。
「この頃諸国に―の合戦おこり」〈浄・廿四孝
[名]それぞれ一人一人。
「御一門の衆も―になりて」〈三河物語・上〉
[類語]私達私共手前共我ら

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android